うちの食物連鎖事情
うちの長男は虫が大好きだ。
私には弟が居て、彼も生き物が好きで、バッタ類の他、ザリガニも何年も飼ってたりしてたので、男児を授かった以上、家で虫類を飼う事になるであろう事は覚悟していたし、旦那も長女も生き物や世話が好きな事もあり、夏本番に向けて、虫かごは増える一方である。
まだ幼いうちは、主にバッタを飼ってて、とにかく草を家族で協力して取って来ては虫かごに入れていた。
ただ、入れるだけでは(枯れた)草だらけになってしまうので、週末などに虫かご内を掃除し、また一週間草を入れ続ける、という風。
土を入れて草を根ごと入れるのも有効だが、バッタの数が多く、また成虫ばかりになってくると、これもすぐ根だけになってしまう。
で、それが、徐々に肉食の生き物に移行してくる。
肉食と言っても、まずはカマキリやヤブキリ、キリギリス(雑食)などで、この辺の虫の範疇なら、死骸でも食べるので、餌の確保や餌遣りにはあんまり困らない。
キリギリスは野菜の他、煮干しなどを与えておけば、虫はたまにでもいいし。
カマキリは、虫かご内に置いておくだけでは食べないが、ピンセットなどで挟んで目の前で揺らしてやると、飛び付いて食べ始める。
これが爬虫類や両生類になってくると一気にややこしくなる。
彼等は生餌しか食べないからだ。
それでも長男は何しろ好きなので、毎日蝶や蛾、バッタ、蜘蛛などを捕まえては、与えている。
ただ、飼ってる数が多いので、餌の数もかなり要る。
長女は学校の帰りに草など取って来てくれるのだが、最近は蛾も捕獲して帰ってきたり、下の双子も外に行くと、草をむしる他、小さな芋虫(もう季節的にあまり居ないが)や蛾や蜘蛛など見付けると捕まえて袋に入れて持ち帰る勢いだ。
雨の日などは虫を捕りに行き辛いため(行く事もあるし、ベランダで蜘蛛とか捕獲したりもする)、餌用の虫を虫かごに保存していたりもする。
ただ、蛾とかだとあんまり何も思わないのだけれど、この餌用箱に入ってるバッタを見ると、母としては切なく、可哀想だなと思う。
今は餌として捕まえてるけど、昔はこんな子バッタでも捕まえると喜んで、大事に家で育てていたのだ。
それなのに今は餌として食べさせちゃうなんて・・・
確かにカナヘビやヤモリはよく見ると可愛い。
パクッと餌を咥えて噛み直し、体内に収める様子を見る長男は幸せそうである。
確かに他の生き物が餌で、飼ってなくても外では食べてる訳だし、飼ってる以上は生餌を与えるのがむしろ正道ではある。(でないと死んでしまう)
とは思うのだが、先日、つい長男に、前はあんなに大事に飼ってたバッタなのに、餌であげちゃうなんて可哀想、バッタはあんまり餌で与えないで欲しい、と伝えた。
長男の反応は、’きちんと飼っているのに何故文句を言われるのか’という怒りを含んだものだった。
まぁそりゃそうなのだ。
弱肉強食だし、食べて食べられて、自然界は成り立っている。
私自身、魚や肉類を食べてる訳で、それなのにバッタを餌として与えるのが可哀想だなんて、詭弁だ。
それにこれは町中の特殊事情かも知れないが、公園というのは一定の間隔で剪定されて、剪定作業が行われると、それまでピョンピョコ跳ねてたバッタは一掃されてしまう。
剪定作業中に死んでしまうものも居るだろうけど、多くは餌の草がなくなり死ぬのだと思う。
公園位しか集中して草が生えてる場所はなく、他の公園まではいくら何でも距離があり、移動してるとは思えない。
なので、長男が日々調達してくるバッタの多くは、いずれ剪定作業で死んでしまう子達だ。
頭では理解出来るのだけれど、でも何となく、家でバッタを餌にしてるところを見るのは嫌なのだ。
これがもし旦那なら、生理的に嫌なのだと伝えれば、ママが嫌なら、と大人なので止めてくれるだろうが、長男の主張は間違ってないのだ。
ここはやはり私が目を瞑るべきところなんだろう、、
長男に、私はバッタを餌にしてするのは嫌だと伝えたので、一応私の意思を考慮して、バッタ以外の餌の比率を上げてくれる事を祈るばかりだ。