My 3rd Life

それまでの私、こどもと私、これからの私。

借主にそこでは出て来て欲しくない話

他の方のブログで、競売物件の内覧写真を見て。

前に一軒家を賃貸してた時の事を思い出した。

 

その家はもともと旦那が家族と住んでた家で。

お義父さんはもう早くに亡くなり(おかげでローンは保険から支払われ完済となっていたため、旦那が会社を始める際担保になり得た)、お義母さんも別の場所に住んでいて、他の家族は嫁いでたりで空家にしとくのもって事で賃貸し、管理は旦那が主にしていた。

最初の借り手が1年位(2年位だったかな?)住んでくれた後、募集を出してもなかなか決まらず、でも半年ほどで次の人(夫婦)が決まり、良かったねみたいな感じで、1年程は普通に家賃払ってくれてたのだけれど、徐々に支払いが遅れたり、滞納したりするようになった。

間に管理会社が入ってるんだけど、家賃は直接うちの口座に借主から振り込まれ、その入金を確認するのは私の役割だった。

予定日に入金がなければ、私がそれを旦那に伝え、旦那が担当者に連絡してたのだけれど、それが頻繁になって旦那も面倒になったらしく、じきに、滞納があったら、私が担当の人に連絡するようになった。

担当の人はいい人だったし、借主も滞納を申し訳ないと感じてくれているらしく、〇〇には払えます、とか一応回答あり、遅れながらも払ってくれてたのだけれど、それもどんどん遅れ、最後の方は完全に滞納状態だった。

どうやら、夫婦だったのだけれど、途中から不仲になり、旦那さんの方はもう家を出て別の場所で暮らしてて、奥さんだけが家に残ってて、奥さんは行くアテもないし、お金もないしで居座っている、という状態のようだった。

 

旦那は借主さんに同情はしつつも、怒ってて、ていうか今や貸したのと違う人が住んでる状態で(借主は旦那さんだから)、私も何だかな~とは思ったけど、正直、その家賃がなくても私たちは十分暮らしていけるのに、お金なくて困ってる人に家賃や退去を催促するのは気が進まなかった。

例えば、私たちが家賃を放棄し、無料で住まわせてあげる事だって出来るのだ。

ビジネス的に言えば私達に非はないのだけれど、よく漫画とかドラマとかで、家主さんは悪徳顔で描かれるけど、長く家主して催促とかしてたら、人相は歪むだろうなと思った。

(なので今も賃貸物件を(旦那が)所有し、私がお金の管理をしているが、物件や入居管理は完全に中間の管理会社にやって貰っていて、お金のやり取りもこの管理会社とのみ行っている。)

 

私が、もう催促するような事を担当の人に伝えるのは辛いと旦那に伝えたら、既に賃貸状況としては末期だった事もあり、後は俺がやると旦那が一切を引き受けてくれた。

で、旦那と担当者と借主とで何度か協議(旦那と借主が会う事はなく、旦那と担当者、担当者と借主、という遣り取り)した結果、何とかその奥さんは退去してくれて、でも家の中がごちゃごちゃでかなり大変な事になってるって事で、次の借り手を探すにしても家の中を整えないとならないし、一度中を見に行こうって事になった。

(微妙に遠くて、物件までは自宅から車で1時間程掛かる)

 

到着し、確か秋だったんだろう、お義母さんがかつては綺麗に整えてみえたであろう庭は落ち葉だらけで、でも雨戸が全面閉まってて中の様子は分からず、まず旦那が中に入り、私は子どもが居たので、玄関先でとりあえず子どもと待っていた。

「うわ~、凄いなぁ、」とか言いながら奥の台所まで行ったところで、異変発生。

「居たんですか!!」という旦那の声と共に、「ママ、外で〇〇(娘の名前)と出て待ってて!」と言われたので、玄関から慌てて出た。

旦那が後で言うには、これは子どもに見せちゃいけない場面だと思ったらしい。

 

何とまだその入居者の(元)奥さんが潜んでいたのだ。

相手は土下座しながら出現したそうで、まず奥さんが居た事に旦那は驚いてたが、土下座という行為にも驚いていた。

さすがに土下座してる人を前にしては、怒れなくて、その日は何か優しく説教したらしいのだが、びっくりしたし、土下座なんてされる機会ないよね?人生で初めてって言ってた。

ていうか、もうホラーだよね、私がその人に最初に遭遇したんじゃなくて、本当に良かった。

 

で、また担当の人と借主の元奥さんとで遣り取りして貰い、もう大丈夫完全に退去したって事で、再び見に行って、私はその時に初めて中を見たんだけど、確かにスゴかった。

1階の一番広い部屋は家具だらけ。それも何故か、テーブルの上に別のテーブルが逆さまに(脚を上に向けて)置かれてたり、電気を取り換えたみたいなんだけど、前に付いてた電気がそのまま下に置いてあるし、と言う風で足の踏み場がない。

比較的大型の家具が散らばってる感じなので、隙間を縫って歩けない事もないかもだけど。(足を踏み入れようとは全然思わなかった)

2階も似たような感じで、部屋の中の全ての物を例えば壁際に寄せてしまえば、それなりのスペースが取れそうなのに、わざわざそれを部屋中に分散させていて、何ていうか、随分かくれんぼに適した物の配置だな、というか、部屋の中央の日本人形が不気味だったり。

台所は比較的散らかりが少なくて、前回旦那遭遇時が台所だったし、台所で主に過ごしてみえたのかなと思うけど、もちろん決して綺麗ではなかった。

冷蔵庫を開けるのは怖かったけど、同行してた義母が開けてくれて、中はあんまり入って居らず、めっちゃ汚いという事はなかった。

カビだらけだったり、溶けた野菜とか出て来たらどうしようと思ったけど、そんな事はなく、蓋の閉まってないバターみたいのとか、消費期限の長いのが無造作に置かれてる感じだった。

大型家具の量と配置がおかしかったけど、ゴミだらけとかそういう不潔さはあまりなく、臭いもないし、その辺は助かった。

 

にしても旦那も、一日中家に居て、めっちゃ時間あったハズなのに片付けは出来ないってどうかしてるよね、こないだ会った時、ずっと謝ってたけど、悪いと思ってるなら、せめて家を片付けておくとか、出来ないのかなぁって呆れてた。

確かに毎日、一体何してたんだろう??

私たちはきっと甘い大家で、時間を掛けて対応してしまったけど、ひょっとしてそれは彼女に無為な潜伏期間を与えてしまっただけで、むしろもっと早く出て行って貰うよう働きかけた方が、彼女のためだったのかも知れない。

(でもあんまり強硬に出て、報復とか怖いよね、、家を破壊されても困るし。)

 

業者さんに見積もりに来て貰い、結局10万ちょっと(15万はいかなかったと思う)で全て撤去して貰い、もう賃貸はこりごりだし、今回家の中の様子を見て、どうしても売りたくないと言ってた義母も気持ちを替えてくれたらしく(そりゃお義父さんと建てた家だもの気持ちは分かるし、旦那だって、夫婦なら大事に住んでくれそうだなと貸したのだけれど)、売却する事になった。

 

片付け業者さんに見積もりに来て貰う際、相見積もり取るため待ち時間があり、家の中で待ってた時に、玄関の靴箱の中に素敵なサンダルが並んでて、どれも綺麗だったので、私が貰って、しばらく履いてた。

私は全然疎いんだけど、旦那ブランドとかも詳しくて、これ〇〇だ、高いよって言ってて、お金なくて家賃は払えないのに、こういうブランド靴とかは買って靴箱に並べちゃうんだね、バランス狂ってるよねって言ってた。

 

ちなみにその後旦那は、逃げちゃってた元旦那さん(借主)相手に調停だか何だかして、滞納家賃や家具撤去費用などの実費を、月5万ずつ(だったかな?)の分割払いで全て支払って貰ってました。